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あなたの日本語大丈夫?

特集
あなたの日本語大丈夫?

産経新聞大阪夕刊に「あなたの日本語大丈夫?」というタイトルで1年半にわたり掲載されたコラムの中からいくつかご紹介します。日々、若い人たちと話したり電車の中で見かけたりすることの中から、ことばにまつわることを、あれこれ思いつくままに書いたものですが、そんな中に話しことばの酸いも甘いも・・・が息づいているのではないかとも思うのです。

特集:

2016年5月20日

上手に「クッションことば」を使おう

今度の日曜日、一緒にゴルフに行かないか.jpg

先輩に「今度の日曜日、一緒にゴルフに行かないか」と誘われて「日曜日は先約があります」と答えたり、お客様に「これ買いますから今日中に家まで届けてちょうだい」と言われて「本日中のお届けはお引き受けできません」と答えたりして、むっとされた経験はありませんか。決して乱暴な返事をしているわけてはないのですが、誘いや依頼を上手にお断りするのはなかなか難しいもの。
そんな時、使ってほしいのが、「クッションことば(前置きのことば)」です。相手を思いやり、心理的な摩擦を避けるためのことばです。

「とても残念なのですが、日曜日は先約があります」「申し訳ありませんが、本日中のお届けはお引き受けいたしかねます」と丁重に誠意をもってお断りすれば、相手も納得してくれるでしょう。

「とても残念なのですが」「申し訳ありませんが」などは「クッションことば」と呼ばれているものです。「せっかくですが」「あいにくですが」「身に余るお話ですが」なども「断り」の場面で使えることばです。

「クッションことばは魔法のことば」ともいわれ、
人間関係をよくするために欠かせない要素なのです。

相手に何か頼むときには「お手数ですが、こちらにご記入ください」「ご面倒ですが、お調べ願えますか」「ご足労ですが、明日もう一度お越しください」などと使います。
その他、「夜分恐れ入りますが、恵子さんはいらっしゃいますか」「おかげさまで、家族全員元気に過ごしております」「おさしつかえなければ、私がご用件を承ります」「おことばを返すようですが、やはりこの方法が効果的ではないでしょうか」など、日常生活の中で使ってみてはいかがでしょう。

特に「すみませんが」「申し訳ありませんが」「失礼ですが」などは、いろいろな場面で使える「スーパークッションことば」です。しかし、いつも「すみません」で間に合わせるのではなく、場面に応じていろいろなクッションことばが使えれば一層感じよく伝わるでしょう。「クッションことば」を上手に取り入れ、より良いコミュニケーションを築いてください。

「お忙しいにもかかわらず、毎回この欄をお読みいただき、ありがとうございます」

※クッションことば 「話しことば検定」3級テキスト 第2章参照。

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