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あなたの日本語大丈夫?

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あなたの日本語大丈夫?

産経新聞大阪夕刊に「あなたの日本語大丈夫?」というタイトルで1年半にわたり掲載されたコラムの中からいくつかご紹介します。日々、若い人たちと話したり電車の中で見かけたりすることの中から、ことばにまつわることを、あれこれ思いつくままに書いたものですが、そんな中に話しことばの酸いも甘いも・・・が息づいているのではないかとも思うのです。

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2015年10月 5日

声にも健康にも役立つ腹式呼吸

声にも健康にも役立つ腹式呼吸.jpg

「話しことば検定」のスピーキングテストでは、実社会でばりばり活動している中年組に比べ、若い人、とりわけ学生の声が小さく、元気がないのが気になります。場なれしていないのと緊張しているせいでしょうか。

昔に比べ戸外の生活が少なくなり、あまり声を張って話すことがなくなったせいか、現代はボソボソと小さな声で話す人が多くなりました。若い人こそ、もっと元気にはつらつと話してほしいと思います。

豊かな声量で話すためには、声のもとになる息を肺にたっぷり取り入れる必要があります。そのための呼吸法が腹式呼吸です。

私たちの肺活量は一般的に2500ccから3500ccぐらいですが、日常会話などで必要な息の量は500ccぐらいで十分なので、肺に一番近い肋骨を広げる胸呼吸で手っとり早く空気を取り入れることになります。これでは息は少量しか入ってきませんので肺から気管へ吹き上げる息のエネルギーが弱く、張りのある大きな強い声で話すことはできません。

腹式呼吸は横隔膜の上下運動で肺の底部を下げ、
肺に十分に空気を取り入れることができる呼吸法です。

さあ早速やってみましょう。両足を肩幅ぐらいに開いてまっすぐに立ちます。あごをやや引いて、肩や手は楽にして、両手をおへその下にハの字に置いてください。

まず、肺の中の空気を全部吐き出します。吐ききった後は、無理に吸おうとしなくても鼻と口の両方から自然に大量の空気が入ってきます。このとき下腹がふくれるのを両手で感じてください。吐くときはゆっくりできるだけ長く吐き、吸うときは自然にまかせます。
これが腹式呼吸です。

肺に十分に息を入れ、肺をしっかり活動させることは健康のためにとても大切なことです。新しい酸素を体の隅々まで送り、新陳代謝を活発にします。

日本では古来武道で「臍下丹田(せいかたんでん)呼吸法」といって、必ず修業したのが、この腹式呼吸です。朝、空気が澄んでいるときに10回ぐらいやってください。一日がぐっと元気にさわやかに過ごせますよ。

※腹式呼吸については、「話しことば検定」3級テキスト 第3章で紹介しています。

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