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あなたの日本語大丈夫?

特集
あなたの日本語大丈夫?

産経新聞大阪夕刊に「あなたの日本語大丈夫?」というタイトルで1年半にわたり掲載されたコラムの中からいくつかご紹介します。日々、若い人たちと話したり電車の中で見かけたりすることの中から、ことばにまつわることを、あれこれ思いつくままに書いたものですが、そんな中に話しことばの酸いも甘いも・・・が息づいているのではないかとも思うのです。

特集:

2015年11月25日

敬語を身につけるコツ

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「敬語なんて使うと、なんか堅苦しくって感じ悪いじゃん」」
「そうそう、敬語使わない方が、親しいって気持ち表せるもん」
女子高生らしきグループがテレビの街頭インタビューに答えていました。
「今ごろの若い子は...」とまゆをひそめる方もあると思いますが、実は、これは高校生かもっと下の低年齢層の子どもたちの意見にすぎません。

私たち、日本話しことば協会が全国の大学で行っている「話しことば講座」で、一番の人気は敬語。講座終了後のアンケートで「一番役に立ったのは」という質問にも「敬語」という答えが断然多いのです。

社会に出たら敬語が必要と、彼らはちゃんとわかっているのですね。でも今は先生と生徒の間も友達同士のようですし、家庭の中も夫婦、親子、みんな平等で敬語を使うような場面はほとんどありませんから、敬語を使う習慣がなく、身についていないのです。

私は「皆さん、敬語を知らないのではなくて、使わないからできないんですよ。さぁ今からトレーニングしましょう。この講座でいっぱい恥をかいて、しっかり敬語を身につけて、社会へ出たら恥をかかないようにしましょうね」。こんな風に言って、まず敬語コンプレックスを取り払ってもらいます。私たちのテキスト(※)はなるべくシンプルにやさしく敬語をパターン化して覚えられるようにしています。
解説をしたあとは、口頭練習、ひたすらトレーニングです。一回でも多くトレーニングして、実際に使えるよう肉体化してしまうことが大切です。

話しことばは「今」が大切。考えているうちに言うチャンスを逃してしまっては何にもなりません。さあ次は実践です。いろんな場面できちんとしたことばづかいで話す体験を、進んでするようにします。

よそのお宅へ電話をかけるとき、道を尋ねられたとき、
近所の人とごあいさつするとき、そんなチャンスをつかんでどんどん話してみること。
失敗を恐れず経験を重ねることが大切です。

私たちは若い人たちが社会で引け目を感じることなく、堂々とコミュニケーションができるよう、いつも応援していきたいと思っています。


※「話しことば検定」3級テキスト、2級テキスト

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