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「言葉にならない真意」思いやる

コンサートに行くと、当日の配役表やたくさんのチラシといっしょに、アンケート用紙を渡されることがあります。

あるとき、ロビーの案内嬢に「このアンケート、どちらに出したらいいのですか」と尋ねたところ、「はい、アンケート箱をご用意しておりますので、そちらにお入れください」とにっこりほほえみながら答えてくださいました。でも私はどこへ行ったらいいのでしょう。私はもう一度「そのアンケート箱はどこにあるのですか」と聞き直さなければなりませんでした。

私たちはふだん、いろいろな人と何気なく会話を交わしていますが、本当に相手の気持ち、言葉に出さない真意をくみとって話しているでしょうか。

先ほどの場合、私が聞きたいのは「アンケート箱はどこにあるのか」ということなのですが、お嬢さんがいくら感じが良く、親切な応対でも、相手が何を聞きたいのかをよく理解した答えとはいえません。

「このバスは市役所に行きますか」と聞いている人に、運転手さんが「いいえ、行きません」と答えていましたが、これも正しい答えとはいえません。やはり「市役所なら13番のバスに乗ってください」という方が親切な返事でしょう。

「こちらのお店は、月曜日も開いていますか」とお客さまに聞かれたら、店員のあなたはどんなふうに答えますか。「はい、営業しています。どうぞご来店ください」。これでも悪いわけではありませんが、「はい、定休日は毎週水曜日ですので、月曜日は営業しています。ご来店をお待ちしています」などといえば、今後お客さまは水曜の定休日を外して他の日に安心していらっしゃるでしょう。

会話のキャッチボールには、いつも相手の「言葉にならない真意」を思いやる親切な気持ちが必要です。これがサービス精神です。

頭と心を使って、どんな場合にも対応できる「ことばのサービス」を工夫し、真剣勝負で会話に臨むこと、それが人間関係をよくするコツでもあるのです。

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