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マニュアルを正しく

「では、こちらの方に、御住所とお名前さまを書いてください」とお店で言われ「えっ」と、思わず聞き返してしまいました。「お名前さま」とは変な言い方だ、と思いましたが、当の店員さんは、涼しい顔で「ハイ」とにっこり笑っています。ひょっとしたら、この店ではマニュアルで「お名前さま」と言うようになっているのかもしれません。

マニュアルについてはいろいろ物議をかもしているようですが、もともとことばというものは、誰かに教えられながら自然に覚えるもので、例えば「おはようございます」「ありがとう」「すみません」などのことばも、挨拶のマニュアルの一つとも言えるでしょう。このようなことばを、私たちは小さい時親から教えられ、はじめはよくわからないまま、型通りに言っているうちに、いつしか身についてちゃんと挨拶ができるようになっていくのです。「型から入って、型から出る」ということばがありますが、ことばを習得する一番自然な方法ともいえるでしょう。

社会へ出たばかりの若い人たちに、接客用語などをマニュアルで教育するのは決して悪いことではないと思います。ただ、そのマニュアルのことばが正しくないと、若い人は何の疑いもなく、マニュアルを鵜呑みにしてしまいますから、いろんな所に影響が及ぶことになるのです。

いくつか例をあげると「おタバコ、お吸いになられますか」「おビール、お持ちしました」などほんとうはつけない方が自然なところに「お」をつけて丁寧さを表しているもの。「はい。○○でございますね」「受付は十時からでございます」と「ございます」の行列。 「お」と「ございます」さえつければ、丁寧だと考えるのは安易すぎるのではないでしょうか。

「お色のほう」「おサイズのほう」「サンプルのほう」と「ほう」も多いですね。私が気になるのは「こちら、オムレツになります」「こちらが会議室になります」など「・・・になります」という言い方。「オムレツです」「こちらが会議室です」とシンプルに言えばいいのに...といつも思います。

マニュアルをもう一度見直して、正しい言い方のマニュアルで、若い人のことばを育ててあげてほしいと思います。

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